「プロダクトマネジメント - ビルドトラップを避け顧客に価値を届ける」 - 読書メモ

Melissa Perri 著、吉羽 龍太郎 訳の「プロダクトマネジメント - ビルドトラップを避け顧客に価値を届ける」を読んだ。 個人的に一番刺さったのが18章で出てくるこの部分
MVPのいちばん重要な部分は学習です。
それが、私がMVPとは「学習のための最小の労力」と定義しているゆえんです。
MVP(実用最小限の製品: minimum viable product)という訳から「最小限の機能一式」と認識されてしまっているが、これこそビルドトラップ。 MVPでなんらかのアウトカムをもたらさせられれば学習できる。
あとは雑なメモ。
雑メモ
- アウトカムとは
- 機能を届けて顧客の問題を解決した結果のこと
- リリースした機能の数によってチームを評価するのをやめなければいけない
- ビルドトラップとは組織がアウトカムではなく、アウトプットで成功を計測しようとして行き詰まっている状態
- プロダクト
- 価値を運ぶもの
- 顧客やユーザーに価値を届ける
- 人手の介在が必要ないもの
- サービス
- ユーザに価値を届けるのに人手を使うもの
- 自動化してソフトウェアプロダクトを作ることで「プロダクト化」できる
- ユーザに価値を届けるのに人手を使うもの
- プロジェクト
- 作業の塊
- プロダクトマネジメント
- 既知の未知を認識して調査すること
- 未知の未知を減らすこと
- プロダクトマネージャー
- ビジネス目標を達成できて顧客の問題を解決できる機能やプロダクトを特定し価値交換システムを最適化する
- 「なぜ」に責任を持つ
- なぜこれを作るのか
- どうやって顧客に価値を届けるのか
- ビジネス目標を達成する上でどう役に立つのか
- マネージャーではない
- 共通の目標の達成に向けて一緒になって働く
- 自分たちが作っているものが正しいことを、チーム・会社に納得させなければいけない
- 学習に重点を追いてリスクを減らすことが目標になる
- 機能のビジョンとそれをプロダクト全体にどのように組み込むかを考えられるくらい戦略的でなければいけない
- ソリューションを円滑に実行できるくらい戦術的でなければいけない
- プロジェクトマネージャー
- 「いつ」に責任を持つ
- いつプロジェクトが終わるのか
- 予定どおりなのか
- 締切に間に合うのか
- 「いつ」に責任を持つ
- プロダクトオーナー
- スクラムチームの中の役割
- 戦略
- 意思決定を下すのに役立つフレームワーク
- 現在のコンテキストとの整合性を保ちながら現在の能力の制約のもとで、望ましいアウトカムを達成するための行動を可能にするもの
- プロダクトのカタ
- メリッサ・ペリのプロダクトのカタ
- 戦略策定と展開
- 方向性を理解する - 企業のビジョンと戦略的意図
- 現状を分析する - 目指しているものの状態
- 次の目標を設定する
- 実行
- プロダクトプロセスのステップを選択する → 「戦略策定と展開」に戻る
- プロダクト指標
- プロダクトの健全性とともにビジネスの健全性を示す
- 虚栄の指標
- 大きくなり続ける輝かしい印象的な目標
- ユーザ数・PV・ログイン回数など
- 大きくなり続ける輝かしい印象的な目標
- 海賊指標(AARRR)
- A アクイジション - ユーザがあなたを見つける
- A アクティベーション - ユーザがはじめてあなたのプロダクトを体験する
- R リテンション - ユーザーが戻ってくる割合
- R リファーラル - ユーザーがあなたのことを他の人に話してくれる
- R レベニュー - 得られる利益
- フリーミアムモデルを採用しているプロダクトにおいて有効
- ※BtoBプロダクトでセールスチームがあり、アクティベーションの前に収益が得られる場合、順番を入れ替えてもよい
- HEARTフレームワーク
- H ハピネス
- E エンゲージメント
- A アダプション(採用)
- R リテンション(利用継続)
- T タスクの成功
- 遅行指標
- リテンションは遅行指標
- 先行指標となるハピネス、アクティベーション、プロダクト使用状況をみてリテンションについて評価・推測する
- 検証的調査
- ユーザがかんたんにソリューションを使えるかどうかを確認する(ユーザビリティテスト)
- 生成的調査
- ユーザの問題の原因を特定し、その状況を理解すること
- 問題ベースのユーザ調査で、解決したい問題を見つけることが目的
- 問題を解決するのは顧客の仕事ではない。適切な質問をするのがあなたの仕事
- 学習のための実験が重要
- 学習のために何かを作る
- 収益のために何かを作る
- 実験とは学習するために何かを作ること
- MVP(実用最小限の製品: minimum viable product)
- MVPで大切なことは学習
- 著者は「学習のための最小の労力」と定義
- 「最初のリリースで作るもの全部MVP」はビルドトラップにはまってしまっている
- 「次に何を学習する必要があるか?」を考え、チームに問う
- ストーリーマッピング
- 自分たちの作業や価値を届けるために必要なことについてのコミュニケーションを助けることが目的
- 付録
- プロダクト主導を判断する6個の質問
- 最後に作った機能やアイデアを思いついたのは誰ですか?
- 廃止を決めたプロダクトは何ですか?
- 顧客と最後に話をしたのはいつ?
- 目標はなんですか?
- 現在何に取り組んでいるか?
- プロダクトマネージャーはどんな人ですか?
プロダクトマネージャーの役割やアウトカム指向にしていく考え方・学習する組織づくりかつスケールのさせ方などが丁寧にまとまっていてとても良かった。 ビルドトラップって便利で言葉自体もだいぶわかりやすいので使っていこ。